パンなどに使われている全粒粉(ぜんりゅうふん)。独特の香ばしい味がおいしいですが、ヘルシーなイメージの全粒粉と普通の小麦粉とは何が違うのでしょうか。
小麦粉と全粒粉の違い
全粒粉とは小麦を皮ごと挽いて、粉にしたもの。
普通の小麦粉は小麦の胚乳という部分だけを挽いて、粉にします。
全粒粉は胚乳だけでなく、外皮のふすまと呼ばれる部分や胚芽も取り除かず、そのまま粉にします。そのため、全粒粉は茶色っぽい色に。
普通の小麦粉と違う点は、外皮のふすまや胚芽も一緒に粉にするので、食物繊維や鉄分やビタミンB1などの栄養素が豊富に含まれている点。薄力粉と比較すると約3倍の食物繊維や鉄分が含まれています。
全粒粉やふすま粉は糖質が少な目
ふすま粉とは小麦の外皮(ふすま)だけを粉にしたもの。皮の部分に食物繊維やビタミンやミネラルなどの栄養素は多く含まれています。全粒粉と違って胚乳を粉にしないので、糖質がかなり少なくなるのが特徴です。
糖質が多い順に並べると 普通の小麦粉>全粒粉>ふすま粉 となります。
全粒粉やふすま粉は普通の小麦粉と比べると、血糖値が急激に上がりにくいそうです。
グラハム粉とは
ちなみにグラハム粉は全粒粉の一種。まず、小麦の外皮(ふすま)と胚芽を取り除いた胚乳を普通の小麦粉に。そして、取り除いた小麦の外皮(ふすま)と胚芽をローストして、粗挽きに。普通の小麦粉と粗挽きにした粉を混ぜ合わせると、グラハム粉の完成。全粒粉よりグラハム粉のほうが、ザラザラしています。
グラハム粉の「グラハム」は人の名前で、アメリカのシルベスター・グラハム博士が栄養価の高さに着目して、全粒粉の利用をすすめたことからグラハム粉と呼ばれるようになったそうですよ。
全粒粉には脂肪分が多く、小麦粉よりも保存性が悪いので、パン作りのために購入したときは早めに使い切りましょう。
市販の全粒粉パンには、100%全粒粉ではないパンもあるので要注意! 食べやすくするために、ほんの少ししか全粒粉が入っていなかったりします。
原材料の表示を見て全粒粉が多く含まれているのか確認してから、購入を! (原材料名は使用した重量の割合の高い順に表示されています。)
ダイエットにもよさそうな全粒粉。人によっては食べにくさを感じるかもしれませんが、栄養素が豊富に含まれているのは魅力的です。全粒粉のパスタもあるので、普通のパンやパスタなどの炭水化物と置き換えれば、健康によさそう。食物繊維が多く含まれているので、腸内環境の改善にもぴったり。
ただし、炭水化物がまったく含まれていないわけではないので、食べ過ぎには注意!