バターの代用になるのはマーガリン?プルーンピューレ? お菓子作りでバターの代わりになるもの11

2017年10月6日金曜日

お菓子作りのまめ知識

バター
バター不足で品切れになったり、値段が高いバター。お菓子作りにたくさん使うバターの代わりになるものをまとめました。

マーガリン

真っ先に思いつくのがマーガリン。レシピの分量のバターと同じ分量のマーガリンを使えば、OK。バターより風味は落ちてしまいますが、値段が安く手に入りやすいです。

マーガリンはもともとバターの代用品として 植物性油脂から作られた加工食品。日本では「人造バター」という物々しい名前で呼ばれていたことも…。マーガリンという名前は ギリシャ語のmargarite(真珠)に由来していて、真珠のように美しく輝くという性質を表現したと言われています。ちなみに、 マーガリンの生みの親であるフランス人メージュ・ムーリエ・イポリットの誕生日10月24日は「マーガリンの日」になっています。

健康に良くないと指摘されているトランス脂肪酸が含まれています。そこで、新製法で作られたトランス脂肪酸を低減したマーガリンも開発されました。

お菓子作りでバターの代用として使うなら、製菓用やケーキ用マーガリンがおすすめ。食塩不使用で、お菓子作りに使いやすいようにやわらかくホイップされています。ケーキ用マーガリンは 水と油をうまく混ぜ合わせる性質(乳化性)、クッキーのサクサク感を出す性質、混ぜると空気を抱き込む性質(ホイッピング性)に優れているので、バターと同じように使うことができます。

動物性油脂からできたバターは、脂質 約80% 、水分 約16%。植物性油脂から作られたマーガリンも同じような割合。バターよりあっさりと焼きあがります。

コンパウンドマーガリンはよりバターに近づけたマーガリン。バターが加えられているので、風味とコクがプラスされています。 コンパウンドは混ぜ合わせるという意味。バターより安く、作業がしやすいのが特徴で、バターだとしつこすぎるお菓子も、少しあっさりと軽くすることができます。

マーガリンで代用するのが難しいお菓子は折り込みパイ。マーガリンでも作ることはできますが、やわらかく、溶けやすいので、作業がしにくくなります。パイやデニッシュ用に、折り込みやすいようにシート状にしたマーガリンも売られています。

マーガリン類の中でも、脂質が80%未満のものはファットスプレッド (fat spread)。マーガリンよりも水分が多く、やわらかくパンに塗りやすくなっている油脂です。ファットスプレッドは水分が多く、溶けやすいのでお菓子作りには不向きです。

ラード

沖縄のお菓子 ちんすこうや中国のお菓子 月餅などによく使われているラード。ラードは豚の背油のこと。溶ける温度が27~40 ℃と低く、口どけが良くなります。脂が小麦粉に含まれるグルテンが作られるのを阻害し、サクサクした食感を作り出すショートニング性が高いのも特徴です 。

ラードは脂質 100%、水分 0%で、まったく水分が含まれていないので、日持ちさせるために配合されることもあります。 サクサクした食感を作り出すショートニング性が高いので、クッキーにおすすめ。

ショートニング

ラードの代用品として植物油脂から作られたのがショートニング。 マーガリンから水分と添加物を除いて純度の高い油脂にしたものです。常温では白いクリーム状で、無味無臭で酸化しにくいのが特徴。

脂質 100%、水分 0%で腐りにくく、焼き菓子に利用すると保存性が高くなります。小麦粉に含まれるグルテンが作られるのを阻害し、サクサクした食感を作り出すショートニング性が高いので、クッキーやサブレなどサクサクにしたいときに加えられることもあります。

「ショートニング」という名前は、 口当たりをを軽くする、さくさくさせるという意味のshortから来ています。

ちなみに、いちごの乗ったショートケーキ(shortcake)の語源は、元々はサクサクのビスケットにクリームといちごを挟んだお菓子だったので、さくさくさせるという意味のshortからショートケーキ(shortcake)とつけられたという説や、 スポンジを作るのにショートニングを使っているからという説があります。

常温でクリーム状なので、伸びがよく、生地に混ざりやすいのが特徴で、市販の菓子パンやクッキーなどにもよく使われています。

バターとショートニング を半分ずつ使うと、バター風味は残るので材料費を安くあげるには便利です。ただ、バターを100%使ったときとは、どうしてもコクと風味は減ってしまいます。レシピのバターをショートニングとそのまま置き換えることもできます。 クッキーなどをサクサクにしたいときやあっさりとした仕上がりにしたいときにおすすめです。

サラダ油

味やにおいにクセがない植物油のサラダ油。バターやマーガリンの代わりに使うこともできますが、液体で水分量が多いので、分量の調節が必要です。

レシピの分量の50%~60%を目安にして、様子を見ながら少しずつ入れていきます。溶かしバターなら同じ分量でOK。液体なので、すぐに使え、混ぜやすいという利点があります。サラダ油はパイ生地には水分が多いので、代用にはあまり向いていません。

味にクセのないなたね油やグレープシードオイル、米油なども利用できます。オリーブオイルは独特の味とにおいが残ってしまうので、おすすめできません。バターとは違って液体で、そのまま代用するのは難しいので、サラダ油を利用したレシピを探したほうが失敗なくお菓子を作ることができます。

マフィンにサラダ油を使うときは、たまごと乳化させたり、コクを補うためにヨーグルトや牛乳を加えるのがポイント。風味を加えるために、プレーンな生地ではなく、ナッツやキャラメル、ココアなどを加えるとおいしくなります。

キャロットマフィン レシピ 吉川 文子さん|【みんなのきょうの料理】おいしいレシピや献立を探そう

吉川 文子さんのにんじんを使った「キャロットマフィン」のレシピページです。にんじん嫌いの子供でも大丈夫。程よい甘さで、爽やかな味わいのマフィンです。 材料: 生地、ヨーグルトフロスティング

太白ごま油

太白ごま油はごまを原料としたゴマの香りがしないごま油。普通のごま油はごまを焙煎してから作りますが、太白ごま油はごまを生のまま絞った無臭で、白く透明な油です。

ビタミンEを豊富に含み酸化しにくく、ノンコレステロール。ごまが原料なので、抗酸化作用のあるセサミンも含まれています。健康を気にする人におすすめの油です。

焼き上がりが油っぽくなりにくいのが特徴で、冷めても固くならず、軽い食感になります。常温保存も可能で、液体なので混ぜやすく、バターのように常温にしてやわらかくしなくても、すぐに使えます。

混ざりやすいのでチョコレートにもぴったり。 ガナッシュを作るときにバターや生クリームの代わりに使うと、なめらかですっきりとした口溶けになります。 パティシエも利用する油です。

「太白胡麻油で作る生チョコ」vivian | お菓子・パンのレシピや作り方【cotta*コッタ】

null

液体で水分量が多いので、分量の調節が必要です。レシピの分量の50%~60%を目安に少しずつ加えるのがポイント。 液体で、そのまま代用するのは難しいので、太白ごま油を利用したレシピを探したほうが失敗なくお菓子を作ることができます。しっとり、さっぱりとした出来上がりになります。

マルホン胡麻油 おすすめレシピ / 黒豆シリアルクッキー

null

プルーンピューレ

プルーンピューレとはドライプルーンとぬるま湯をフードプロセッサーでなめらかになるまでペースト状に混ぜたものです。フードプロセッサーがなければ、包丁でドライプルーンを細かく刻んで、つぶしてから、熱湯を少しずつ加えて混ぜます。プルーン100gに対して、40~50mlのお湯が目安です。密閉容器や保存瓶で約1か月冷蔵保存できます。

無塩バターは100gあたり約760kcalですが、 プルーンピューレは約160kcal。約5分の1に大幅に減らすことができてヘルシーに。プルーンには食物繊維と鉄分が豊富なので、便秘や貧血の改善も期待できます。

甘みもあるので、砂糖の代わりにもなります。プルーンに含まれているペクチンには水分を吸収し、ソルビトールには水分を保持する役割があります。そして、天然の保存料であるリンゴ酸が味に深みを与える役割を果たします。プルーンに豊富に含まれているペクチン、ソルビトール、リンゴ酸がバターなしでもしっとりと風味のあるお菓子にしてくれます。

使いかたは、

  • レシピのバターやマーガリンの半分をプルーンピューレに置き換える場合は、プルーンの甘みがあるので砂糖も少し減らします。
  • レシピのバターやマーガリンのすべてをプルーンピューレに置き換える場合は、プルーンの甘さがプラスされるので、砂糖の量は半分にするか、入れなくてもOK。ベーキングパウダーを加えると、ふわふわで軽い食感に焼きあがります。

フォンダンプルーン♪ヘルシーフォンダンショコラ|プルーン レシピ|カリフォルニア プルーン協会

プルーンを使用した「フォンダンプルーン♪ヘルシーフォンダンショコラ」のレシピ詳細ページです。1952年に設立したカリフォルニア産プルーンの生産者及び加工業者を代表する機関、「カリフォルニア プルーン協会」の公式WEBサイト

アップルソース

バターやマーガリンの代わりには ペクチン、ソルビトール、リンゴ酸を多く含むほどその効果が高く、リンゴを煮てペースト状にしたアップルソースもバターの代わりになるそう。

アメリカではよく離乳食として親しまれているアップルソース。レシピのバターやマーガリンなどの油の半分をにアップルソースに置き換え、砂糖も減らします。アップルソースには水分があるので、牛乳など他の水分を減らすのがポイント。 すべてをアップルソースに置き換えると、もちもち、しっとりとした食感に仕上がります。サクサク感は減ってしまうので要注意。

アップルソースの作り方は、砂糖を加えずに切ったりんごを煮て、フードプロセッサーなどでペースト状にします。 トーストにバターの代わりに塗って、食べることもできます。

アップルソースのマフィン生地 by 兎タバ子

「アップルソースのマフィン生地」ノンエッグ・ノンバター・ノンオイルでもしっとりなマフィン 材料:アップルソース(ID : 2884322)、牛乳、中力粉..

マヨネーズ

マヨネーズの原料である油とたまごが、バターやたまごのかわりの役割を果たしてくれます。バターを常温にもどす時間が省けるので、すぐにお菓子作りに取り掛かることができて便利です。さらに、マヨネーズを加えることでコクがアップし、ふわふわな食感になります。

置き換える分量はそのままでいいようです。出来上がったお菓子にマヨネーズの味はしません。ケーキならほろほろとした食感になります。

2色のマヨネーズクッキー|とっておきレシピ|キユーピー

2色のマヨネーズクッキー 調理時間30分 エネルギー362kcal 食塩相当量0.3g

アメリカンケーキ|とっておきレシピ|キユーピー

アメリカンケーキ 調理時間10分 エネルギー211kcal 食塩相当量0.4g

ヨーグルト

ヨーグルトをバターの代わりに使うときは、すべてをヨーグルトに置き換えることができません。レシピのバターの分量の4分の1をヨーグルトにします。例えば、バター100gが必要なレシピなら、バター50gとヨーグルト25gに置き換えることができます。ヨーグルトに置き換えることで、しっとりとした少しヘルシーなお菓子が出来上がります。

アボカド

脂肪分が約18-25パーセント含まれているため、森のバターと言われるアボカドも実際にバターの代わりに使うことができます。バターとアボカドを半分ずつ混ぜてアボカドバターにして使用したり、バターを一切使用せずにアボカドだけで代用することもできます。

混ざりにくいので熟したアボカドをよく潰して、なめらかなペースト状にします。フードプロセッサーやハンドブレンダーを使うと楽になめらかに。あとは、バターを使うレシピと同じ手順で作ります。 バターの脂質は100gあたり約80g、アボカドの脂質は100gあたり約20gで、大幅に減らすことができてヘルシー。

すべてをアボカドに置きかえたときは、焼くときにオーブンの温度を20~30度ほど下げるのがポイント。 アボカドの脂肪分はほとんどが善玉脂質と呼ばれる不飽和脂肪酸で、コレステロールを増加させる心配が少ないと言われています。さらに、抗酸化作用のあるビタミンEも豊富に含まれているので、健康を気にする人にぴったりです。 ただ、出来上がりは緑色になってしまいます。

ココナッツオイル

ブームになったココナッツオイルもバターの代わりに使えます。常温だと白っぽい、とろっとした状態の油で、20℃以下になると固形化するココナッツオイル。

マフィンやケーキなどしっとりさせたいときは、 レシピの分量のバターをそのままココナッツオイルに置きかえることができます。クッキーなどは生地がゆるくなりやすいので、ココナッツオイルを減らすか、小麦粉を増やすのがポイント。

味は少しココナッツの風味が。 ココナッツの甘い香りがするので、使う砂糖を減らすこともできます。

まとめ

バターの代用に一番最適なのはマーガリン。バターの分量をそのままマーガリンに置き換えて使うことができて便利です。サラダ油や他のものをバターの代わりとして使うときは水分量などが変わってくるので、代わりのものを使った専用のレシピを調べたほうがよさそうです。

プルーンピューレやアップルソースはバターの働きを補うために、生地をふんわりさせるベーキングパウダーを入れる必要があります。 実際に作ってみて、どれくらいの量を使ったらいいのか試行錯誤してオリジナルのお菓子を作ってみるのも楽しいかもしれませんね。

クッキーやケーキを作るときバターはどんな働きをしているの?お菓子を作るときのバターの役割≫

プロフィール

はっさく
お菓子作りと甘いものが大好き!

このブログを検索

Contact Us

名前

メール *

メッセージ *

QooQ