バターを長く保存するには冷凍が一番 バターの保存法と冷凍方法

2017年10月1日日曜日

お菓子作りのまめ知識

バター
通販などで売っている450gのポンドサイズの業務用バターは一気に使い切れないもの。バターを長く保存するにはどうしたらよいのか調べてみました。

常温保存

海外ではバターは常温保存が基本的だそう。常温でやわらかくなったバターは風味がよく、バターの美味しさを最大限に味わうことができます。しかし、日本は高温多湿。常温で溶けると、油分と水分が分離してカビが生えやすくなり、常温保存は不向きです。

バターの最適な保存温度は5℃前後と言われています。18℃を超えるとやわらかくなりすぎ、さらに温度が上がり28℃以上になるとドロドロに溶けてしまいます。 溶けてしまったバターは酸化しやすく、分離してしまいます。こうなると元に戻すのは困難。すぐに使う分のバターだけ、常温で保存するようにしましょう。

バターは13~18℃であれぱ粘土のように成形することができるため、折り込みパイを作るときは、13~18℃の範囲で生地にバターを折り込むようにするのがポイント。温度がそれ以上だと、生地にバターが染み込んでしまい、きれいなパイの層になりません。

冷蔵保存

バターの最適な保存温度は5℃前後ということで、その温度に当てはまるのが、冷蔵庫。

未開封のバターなら賞味期限の表示通り、冷蔵庫で3か月~6か月ぐらい保存できます。開封後なら、冷蔵庫で保存できるのは2週間程度。

バターは他の食べ物のにおいを吸収しやすいので、においの強い食べ物は近くに置かないように注意します。 におい移りと酸化防止のため、空気に触れないようにラップで包んでから、密閉できるタッパーなどに入れると長持ちします。

バターは水分が少なく腐りにくいので、うまく保存すれば2週間以上使えるそうですが、バターを製造しているメーカーは2週間ほどで使い切るように推奨しています。 独特の風味とコクでお菓子作りに適した発酵バターは劣化しやすいので早めに使い切るようにしましょう。

冷凍保存

しかし、業務用バターを2週間で使い切るのは結構大変です。 お菓子作りに何回も使うために、長く保存するのに最適な方法は冷凍保存。

冷凍保存なら、開封後でも1か月~2か月ほど保存が可能になります。未開封のバターなら約1年も保存が可能に。バターをまとめ買いしても、冷凍保存なら焦らずに使うことができます。

バターを冷凍保存する方法

バターを10g~20g分ずつに切り分けて、ラップで1つずつ包んでいきます。包丁でバターをカットするのは、べとべとくっついたり、かなり大変。固いバターを切るには、力も必要です。 ゆで卵カッターを使って切るという方法もありますが、これもなかなか簡単にはできません。 専用のバターカッターを使うと簡単に切り分けることができます。

らくらくバターカッターはワイヤーでバターを一気に20分割できる便利グッズ。200gのバターだけでなく、業務用の450gのバターでも使うことができます。 保存するバターは、体温で溶けたり、雑菌がつかないように、なるべく手で触りたくないもの。バターカッターならバターに触らずに一気にカットできます。200gのバターなら一切れ10g、450gのバターなら一切れ20gほどになります。頻繁にバターをカットするなら専用の便利グッズを利用するのもいいかもしれません。40等分できるバターカッターもあります。

カットしたバターは一切れずつラップに包んでから、においがうつらないようにジップロックなどフリーザーバッグに入れて冷凍します。ラップに包んで小分けにしておくと、使う分だけ取り出して使うのに便利です。 買ったときのまま未開封で冷凍保存するときは、包装紙の上から空気が入らないようラップで包み、フリーザーバッグに入れて冷凍します。

バターはゆっくりと冷凍すると風味が落ちてしまうので、アルミホイルで包んだり、アルミのバットの上に乗せて、急速に冷凍しましょう。家庭の冷凍庫は開け閉めのときに、温度が上昇しやすいので、注意。温度変化をうけにくいように冷凍庫の奥のほうで保存してください。

小分けししたバターは酸化しやすくなるので1か月~2か月ほど、未開封で大きな塊のまま冷凍したバターは約1年保存できます。

解凍方法

必要な分だけ取り出して、冷蔵庫で解凍します。料理に使う場合は、凍ったまま使ってもOK。

解凍したバターはなるべく早く使い切るようにします。一度解凍してしまったバターの再冷凍は風味が落ち、酸化しやすいので、やめましょう。

未開封で大きな塊のまま冷凍したバターは包丁で必要な量だけを切ってから、冷蔵庫で自然解凍します。凍ったバターはかなり固くて、包丁で切るのは大変です。包丁をお湯で温めてから切ったり、カチカチに凍った食材をそのまま切ることができる冷凍食品用包丁を使うと楽に切ることができます。

古くなってしまったバターの見分け方

  • 一部が液体化している
  • 古い油のにおいがする
  • バターの表面だけでなく、中まで黄色く変色している

1つでも当てはまったら、食べないように。酸化して、腐ってしまった証拠です。バターは水分量が少なく、腐りにくい食品ですが、分離したり、保存に失敗してしまったりするとカビが発生して腐ってしまいます。 古くなってしまったバターは食べないようにしましょう。

バターの表面が黄色が濃くなっていくのは、水分が蒸発して乳脂肪に含まれる黄色い色素のカロテンの色が濃く見えるため。表面だけ黄色くなっているバターは表面が乳脂肪の油分で覆われ、深くまで黄色くならず、風味や味にもほとんど影響はありません。

しかし、中まで黄色くなってしまったバターは全体に酸化が進んでいる可能性があり、食べるのはやめておきましょう。

マーガリンは冷凍保存には不向き

マーガリンを冷凍すると、水分が凍って組織が壊れ、解凍したときに油脂と水分が分離してしまいます。マーガリンを保存するときは、冷蔵庫で保存するようにしましょう。マーガリンは開封後でも冷蔵庫で約1ヶ月ほど保存できます。

バターの新鮮さを保つには、酸化しないようにラップで空気に触れさせないようにするのがポイント。冷凍すると長く保存することが可能になります。冷凍庫にバターを保存しておけば、いつでもお菓子作りを楽しめますね。

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