舞台は2019年!『ブレードランナー ファイナル・カット』の感想

2017年7月1日土曜日

映画

あらすじ
放射能で汚染された2019年のロサンゼルスで、高度な知能と強靭な肉体を持った、人間とほぼ同じ外見をしているアンドロイド“レプリカント”が、人間を殺害して逃亡を図った。そのレプリカントの解体処分が決定され、レプリカント抹殺専門の賞金稼ぎであるデッカード(ハリソン・フォード)が、単独で追跡調査を開始するが……。(シネマトゥデイより)

※ネタバレしています。

近未来感とレトロさが混ざり合った 退廃的雰囲気の街が印象的。 舞台は2019年。何だか近すぎて違和感が…。

街中には日本語の看板やネオンサインがあちこちに。特に印象的なのが、強力 わかもとのCM。「強力 わかもと」は胃腸薬。たぶん、ゴルフ用品と書きたかったと思われる「゛コ゜ルフ月品」というネオンサインも。 傘のシャフトが光っているのも、近未来感が。お店の大将は「いらっしゃい」と日本語でお出迎え。

ブレードランナーとは、レプリカント(アンドロイド)を始末する任務を負う専任捜査官のこと。

レプリカント(アンドロイド)かを判定するテストの質問がシュール。「主菜に茹でた犬が出たら?」とか「子どもが毒つぼを持っていたらどうする?」とか、誰がこんな質問考えたんだというものが出てきます。

レプリカント(アンドロイド)は奴隷として過酷な労働を強いられ、寿命は4年。 人間そっくりなアンドロイドはもちろん本物そっくりの動物まで作られている世界。

地球に侵入した最新レプリカント「ネクサス6型」を始末する任務を与えられたはデッカードは捜査を開始。「ネクサス」がレクサスと聞こえてしまう…。

少しわかりにくかったのが、蛇をまいたレプリカントのゾーラを見つけ出す流れ。 ホールデン捜査官を殺したレプリカントのレオンの泊まっていたホテルの部屋から写真を押収。

その写真に写っている鏡を拡大すると、女性のレプリカントが。『ブレードランナー』の世界の写真は3D写真であるという設定なんだそう。

その女性のレプリカントには蛇のタトゥーが。ホテルのバスタブで見つけた鱗のようなものは、蛇の鱗だと判明。蛇はロボットで、鱗には製造番号が。そこから、レプリカントのゾーラを見つけ、始末。 ゾーラの透明なレインコートみたいな服でガラスを割って死んでいくのが幻想的。

実物に近い蛇のロボットが高価と言っていましたが、最新レプリカント「ネクサス6型」は製造にどれくらいかかるのでしょうか…。

レプリカントを製造しているタイレル社の技術者セバスチャンの帰宅をお迎えする人形とテディベアのロボットが壁にぶつかったりして、かわいい。

地球にやってきたレプリカントのリーダーのロイ・バッティがレプリカント生みの親タイレル博士に「長生きしたいんだよ 父さん」 と言うところにはハッとしました。 それにしても、タイレル博士のメガネが独特。ロイが寿命を延ばせないことを悟り、博士やセバスチャンまでも殺してしまう。セバスチャンまで殺さなくても…。

デッカードは殺されたセバスチャンの部屋へ。 セバスチャンの部屋は人形だらけで不気味な雰囲気。そこで、レプリカントのプリスとデッカードは格闘に。プリスの目の周りを黒くした特徴的なメイクは『ノスフェラトゥ』(1979)クラウス・キンスキー演じるドラキュラ伯爵から着想を得たそうですよ。

デッカードはプリスの股に挟まれたり、鼻の穴に指を入れられて攻撃されたりと、散々。 結局、射殺。叫びながら暴れ回って死んでいくプリスが狂気…。

最後はロイとデッカードの戦いに。 レプリカントのロイは強く、手や頭が壁を突き抜けてくる!! しかも、トランクス一丁で遠吠えしながら、追ってくる! しかし、最後は寿命が来たことを知り、ビルから落ちそうになっているデッカードを救出。

どこからか白いハトが登場。ロイが死期を悟り、言った最期の言葉が感動的。 「俺は貴様ら人間が想像もできないものを見てきた。オリオン座の近くで炎に包まれた戦艦。タンホイザー・ゲート近くで輝くCビーム。それらの瞬間もすべて失われる。時が来れば…それは涙のように雨に洗われる。死ぬ時間だ。」

白いハトを抱いて死に、ハトが飛びったっていくシーンはロイ役のルドガー・ハウアーのアイデアだとか。

もう人間より人間らしいのではないかというロイ。 デッカードは主人公で、ヒーローっぽいことをするのかと思いきや、レプリカントに弱いというか、情けない感じが…。 デッカードの頼りの武器は、通称「デッカードブラスター」と呼ばれる銃だけ。

レプリカントのレイチェルと恋に落ちたデッカードはレイチェルを連れて、逃げることに。 警察官のガフが置いていったユニコーンの折り紙が意味深。デッカードは実はレプリカントで、ユニコーンの夢を見ていたことを知っているガフがユニコーンの折り紙を警告として置いていったのではないかと解釈されているそうです。

もう誰が人間で、誰がレプリカントかわかりませんね。実は、全員レプリカントじゃなのかと疑いたくなりました。 デッカードはレプリカントだったのか、レイチェルの寿命はどれくらい残されているのか、はっきりわからないまま余韻を残して、エンディング。

映画の原作となったのは、SF作家フィリップ・K・ディックの『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』。

『ブレードランナー』の続編である『ブレードランナー 2049』は2017年10月27日公開予定。 主演は『ラ・ラ・ランド』のライアン・ゴズリング。『ブレードランナー』の主人公を演じたハリソン・フォードが同じリック・デッカード役で登場。

『ブレードランナー』の監督リドリー・スコットは製作総指揮に回り、ドゥニ・ヴィルヌーヴが監督します。 続編は『ブレードランナー』の舞台だった2019年から30年後の2049年が描かれるそうです。 どんなストーリーなのか楽しみですね。

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